お宮参りと初着(産着)の基礎知識

もくじ
お宮参りとは
お宮参りは、地域の氏神様に赤ちゃんの誕生の報告して※氏子に入り、同時に生まれて間もない赤ちゃんに、加護を願い、成長を祈願する儀式です。 一般的には、嫁がせた側の親御さんが「初着」をご用意し、嫁いだ側の祖母が赤ちゃんを抱いて母親とお参りをします。
日取りは男の子なら生後30か31日目、女の子なら31か32日目が多いのですが、地域によって様々です。また、ご家族の事情や、赤ちゃんとお母さんの健康状態にあわせて日程を選べば良いでしょう。(体への負担を考えて冬は避けて行う地域もあるようです。) 神社ではご祈祷料(5,000円が多いです。)が必要になります。
お宮参りの方法は地方により異なるため、時期や衣装・マナー・玉串料などで悩まれる事と思います。当サイトでは一般的な事例をご説明しますので、これらの情報を元にお住まいの地域の慣わしと照らし合わせ、参拝へ向けて参考にしてください。
※氏子(うじこ):氏神が守ってくれる範囲に生まれた者
お宮参りまでのスケジュール
お宮参りのスケジュールはおよそ下記の通りです。
1.日程を決める → 2.祖父母へ連絡 → 3.衣装の準備 → 4.神社の予約 → 5.玉串料の準備 → 6.お宮参り当日 |
1.日程を決める
一般的なお宮参りの日程:【男児】生後31~32日、【女児】生後32~33日 |
お子様、お母さんの体調が悪いこともありますので、上記にこだわらず季候の良い季節に延期しても大丈夫です。また、お宮参りは祝い事ですが、仏滅で行うのはタブーでは無く、大安・先勝・先負・仏滅など、どの六輝で行っても問題ありません。
2.祖父母への連絡
参拝する方とお宮参りの日取りを相談します。目安は30日前後とされていますが、お子様の体調や天候の問題もあるため、この日にこだわる必要はありません。お子様、両親、両祖父母で行うのが一般的ですが、遠方の祖父母が来られない場合もありますので、お子様と両親だけで参拝しても問題ありません。
3.衣装の準備
当日までに衣装(初着やベビードレス)を用意しましょう。通常は、呉服屋やベビー用品店で衣装を購入できます。店によってはすぐに手に入らないこともあるため、早めに確認をしておきましょう。近年では、お宮参り当日に写真スタジオで衣装をレンタルして参拝した後、写真撮影をされる方もいます。
4.神社の予約
まずは、参拝者と相談し神社を決めましょう。場所によっては予約が必要な所もあるため、日取りが決まり次第、すぐに連絡することをおすすめします。また、その際に玉串料の金額についても聞いておくと良いでしょう。
お宮参りは、赤ちゃんが生まれた病院などの近くの神社、または自宅から一番近い神社にお参りに行くのが一般的です。有名な遠くの神社に参拝したいという声もありますが、お母さんと赤ちゃんの体調を最優先に考え遠出は控えた方が望ましいと思います。
遠くの神社に参拝したとしても、お宮参りには住んでいる地域の氏神さまに報告するという意味もあるので、一度は近所にある神社にも参拝しておくことをおすすめします。
以上を踏まえて、神社を選ぶ際のポイントをまとめましたので、参考にしてください。
■自宅から近い神社
- 近いので赤ちゃんやお母さんに負担がかからない
- お宮参り以降も気軽に参拝できる
- お子様が大きくなった時に当時のことを話せる
■赤ちゃんのご先祖が関わってきた土地の神社
- 父親もしくは母親の実家の地域の方がお参りしている神社
- 赤ちゃんの戸籍がある家のしきたりを重視する場合
■生まれた病院などに近い神社
- 病院出産の場合は病院から近い神社もしくは自宅出産の場合は自宅から近い神社
- 検査のたびに病院近くの神社に参拝していたお母さんにとって親しみがある
- 出産前にお世話になったという思いを込めて参拝するのも良い
■お父さんお母さんの思い入れのある神社
- 両親が結婚式を挙げた神社や毎年初詣に行っている神社など
- お子様が大きくなっても参拝する機会が多い
神主さんについて
ご祈祷を受けたい場合、神主さんがいる神社を探す
土地の神さまを調べる
参拝する神社の神さまについて知っておくと良い
神さまの調べ方は以下の通り
- 町内会の人に聞く
- 神社庁の各都道府県支部に問い合わせをする
- 神社庁の一覧
5.玉串料の準備
お宮参りは、通常の参拝とお賽銭だけでも問題ありませんが、神主さんに祈祷やお祓いをしてもらう場合は、事前に社務所へ連絡して、祈祷の料金(玉串料)について問い合わせておくことが必要です。
一般的な玉串料:5,000~10,000円 |
当日は、白い封筒か祝儀袋に入れて、下図の様に記載し、お礼として渡します。下段にはお子様のフルネームを書きます。玉串料として包むお金は新札である必要はありません。もちろん、新札で玉串料を包むのは、お宮参りでお子様の成長を祝い願うという意味でも、清々しく祈祷をお願いできるかと思います。
6.お宮参り当日
赤ちゃんはミルクを吐いたり、よだれを垂らしてしまったりする場合があるため、衣装は出かける直前に着せるか、タオルをかけるなど汚さない工夫をしましょう。
1.2礼2拍手1礼 |
神社に到着したら、まず境内の手水舎で手を清め、口をすすいでから神前に向かいます。お賽銭をあげ、鈴を鳴らして2礼、2回拍手、1礼をします。 |
2.受付 |
予約していた場合は予定時間の20分前には神社に到着しておきましょう。神社に到着したら受付を行い、玉串料を渡します。 |
3.御祈祷 |
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赤ちゃんに着せる初着(産着)についての基礎知識
衣装の種類
子どもの衣装には主に、和装と洋装があります。
一般的には、和装の初着(着物)が主流となっていますが、最近では洋装のベビードレスも人気があります。
初着(うぶぎ)
初着とは、赤ちゃんが生まれて初めて袖を通す伝統的な着物です。
肌触りの良い絹に華やかな装飾が施されていて、健やかに育つようにとの願いがこめられています。
→初着の素材についてはこちら
初着は一般的に嫁がせた先の親御さんから送られます。
男の子の初着には家紋をお入れします。
女の子の初着
男の子の初着
初着のデザイン
女児用 | 伝統的な絵柄、花をモチーフにしてものが主流。 生地の色は赤・ピンクを主体としているものが一般的。 |
男児用 | 「兜」「龍」などをモチーフ。両胸と背中、両袖裏側に「家紋」 |
家紋は元々、厄除けの意味を持っており、男の子の健やかな成長を願うという思いが込められています。一般的には縁起を良くするために各お家の家紋が入っているものを着用します。それ以外の家紋を使用することは意味が無いので、注意が必要です。(レンタルでは家紋を選ぶことはできません)地域によってどの家紋を入れるかは違いますので、ご家族で相談した上で選ぶと良いでしょう。女の子の初着については家紋が入っていなくても十分に祝着としての役目を果たしますので、一般的に家紋は入れません。
初着の着方
1.事前準備としてしつけ糸を外してください。
2.初着に付属の紐を左右袖に通します。
3.赤ちゃんを抱いた状態で初着を肩掛けにして、片方の紐を肩から、もう片方を腕の下から背中に回し、しっかり結びます。
初着の下はベビードレスなどでも大丈夫です。
着用後のお手入れ
当店では着用後は専門業者でのお手入れをおすすめしております。 当店は、絹織物「浜ちりめん」の製造から着物の販売まで行っている専門店で染み抜きやクリーニングまで全て行っております。 使用後はご相談ください。
・丸洗い
・のしめ:5,000円
・のしめ襦袢:3,500円
・のしめ襦袢セット価格:7,000円
初着を七五三にお使いいただけます
初着は、3歳の七五三にお使いいただけます。 ただ、縫い上げをしていただかないといけません。当店では下記の通り有料で変更をさせていただきます。
・肩上げ(裄丈の変更):2,000円
・腰上げ(身丈の変更):2,500円
・袖の丸みつけ:1,500円
・半衿付け:1,000円
・紐の付け直し:1,000円
・子供はおり 肩上げ:1500円
ベビードレス
洋装としてベビードレスを購入する人も増えています。
中には参拝は初着で行い、会食の際にお色直しのような形でも使用する人もいます。
ベビードレスのデザイン | 白が基本。物によっては男の子も着られる。 |
小物について
お宮参りで使用する小物は4種類あり、それぞれに赤ちゃんの成長を願った思いが込められています。
![]() お宮参りに末広(扇子)と白髪(麻の緒)に熨斗を添えてお祝着の紐に下げます。この麻の緒は、健康で髪の毛が白くなるまで長生きできるようにという願いが込められ、長い緒が好まれます。 |
![]() 赤ちゃんが一生お金に困らないようにとの願いを込めて、ご祝儀としてお小遣い程度のお金を熨斗袋に入れて扇子に取り付けます。 |
![]() 安産させていただいたお礼の気持ちと、犬のように元気に育ちますようにと言う願いを託したものです。 |
![]() 犬張子と同じくお祝い玩具です。でんでん太鼓はすべて丸で作られていて、角のないまろやかな性格に育つようにとの願いから縁起物として使われています。 |
小物の結び方
1.末広(扇子)に巻いてある麻の緒をのばします。
2.でんでん太鼓の一番上の太鼓のすぐ下に麻の緒を通して軽く結びます。
3.犬張子の尾の輪の中に通し、頭の後ろに付いているリボンの前で軽く1回結びます。
4.お守り袋があれば、袋の房の紐に麻の緒を通して軽く結びます。あまり長くなりすぎないように作ります。
5.麻の緒の先をお祝い着の紐にしっかり結びます。
※御紐銭について
祝儀袋の場合は、袋の角に小さな穴を開けて、袋に付いている水引を穴に通します。
水引の先を赤ちゃんに着せた着物の結び紐に結んで、ぶら下げて参拝するのが一般的です。
初着やベビードレスの購入場所
ネットショップ
最近はお宮参りの衣装を専門に販売しているショップもあるため、お宮参りに最適な衣装をよく理解している方がスタッフにいることがあります。
また、実店舗が運営しているネットショップでは、初着の七五三用の縫い上げやオーダーメイドを行っている所もありますので、そこもチェックしておくと良いでしょう。ネットショップ「シルキーほっぺ」は実店舗が運営していますので、上記のサービスにすべて対応しています。その他、ご不明な点があれば詳しくお答えしますので、お問い合わせください。
実店舗が運営するネットショップ シルキーほっぺ |
実店舗での購入
お近くの呉服屋やデパート、ベビー用品店などで購入することができます。
呉服店など着物専門店 | ・お店の人と話し合って購入できる ・初着をオーダーメイドできる店舗もある ・初着を七五三用の縫い上げサービスを行っている所がある |
ベビー用品店 | ・価格が安い ・高い物に比べて見え方や肌触りに違いが現れる |
レンタル衣装について
最近では、衣装は買わずにレンタルする家庭も増えてきています。主に、写真スタジオやレンタル着物店で利用できます。しかし、衣装の数に限りがある店舗が多いため、衣装の種類や質が自由に選択できないことがありますので、注意が必要です。
写真スタジオ(レンタル+写真撮影代) | 3,000円~ |
レンタル衣装店(レンタル代) | 10,000~20,000円 |
写真スタジオでのレンタルは一見すると安く見えますが、写真プリント代やアルバム化なども含めて結果として10万円以上になることもあります。また、写真スタジオ、レンタル衣装店ともに初着が汚れてしまった時のクリーニング費用といった追加費用が発生する場合もありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
中古の初着について
新品にこだわらない方は、中古で衣装を手に入れるのも良いでしょう。
衣服リサイクルショップやリサイクル着物店、オークションサイト(メルカリ、ヤフオクなど)でよく出回っています。しかし、中古となると状態の悪いものも存在します。初着の場合、ひどいしみは落とすことができないこともありますので、見栄えを気にされる方は、実物や画像を良く確認しましょう。
注意点
男の子の初着には家紋がありますが、レンタルや中古の初着には既に一般的な家紋が入ってしまっています。ご家庭の家紋とは違う物が入った初着を着用することは、厄除けの意味が無くなり、縁起も良くありません。こういったことも踏まえてから利用することをおすすめします。
親と祖父母の衣装
お宮参りは日本の伝統的な行事ですが、近年ではしきたりが簡略化されてきており、男性はスーツで女性はワンピースというスタイルも増えています。ただ、お宮参りは赤ちゃんにとって一生に一度の伝統的な行事となります。日本の伝統的な正装である和装で参列することで、より良い御利益が得られると思います。せっかくの記念なので、赤ちゃんもお母さんも和装にするのもいいのではないでしょうか。参列者が着用する服装について、以下にまとめましたので、参考にしてください。
お宮参りの両親の服装の例
父親の服装
【ポイント】
主役であるお子様の服装の格に合わせます。お子様が正式な祝い着の場合には、父親も正装にしてください。基本的に男性はスーツで参拝することがほとんどです。
洋装・洋服 | ドレスコード | 略礼服・略装・略服 |
服装の例 | ブラックスーツ、 ダークスーツ | |
解説 | ・無地のスーツに白ワイシャツがベストです。・ネクタイは弔事に着用する「黒」以外であれば問題ありません。 ・靴は黒色で紐の付いている物が良いです。 ・コートを着用した場合、神殿内では脱ぐのが正式なマナーです。 |
母親の服装
【ポイント】
主役であるお子様の服装の格に合わせます。お子様が正式な祝い着の場合には、母親も正装にしてください。以下は正装の例です。
和装・和服 | ドレスコード | 略礼服 |
服装の例 | 色無地、附下、訪問着 | |
解説 | ・髪型はできればアップにして和装にふさわしいものにしましょう。 ・髪色はダークトーンの髪色にしておくと良いでしょう。 |
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洋装・洋服 | ドレスコード | 略装・略服 |
服装の例 | スーツ、ワンピース | |
解説 | ・スーツの場合、白や紺、ベージュといった落ち着いた色を選んでください。 ・ワンピースの場合、お子様のお世話をすることを考えて、動きやすいものが良いでしょう。 ・髪飾りはシンプルに、清楚な感じの髪型にしましょう。 ・髪色はダークトーンの髪色にしておくと良いでしょう。 ・コートを着用した場合、神殿内では脱ぐのが正式なマナーです。 |
祖父の服装
【ポイント】
主役であるお孫さんの服装の格に合わせることになります。お孫様が正式な祝い着の場合には、祖父も正装にしてください。基本的には父親の服装に合わせると良いでしょう。下記は正装の例です。
洋装・洋服 | ドレスコード | 略礼服・略装・略服 |
服装の例 | ブラックスーツ、 ダークスーツ | |
解説 | ・無地のスーツに白ワイシャツがベストです。・ネクタイは弔事に着用する「黒」以外であれば問題ありません。 ・靴は黒色で紐の付いている物が良いです。 ・コートを着用した場合、神殿内では脱ぐのが正式なマナーです。 |
祖母の服装
【ポイント】
主役であるお孫さんの服装の格に合わせることになります。お孫さんが正式な祝い着の場合には、祖母も正装にしてください。
【初着の着方・着せ方】
お孫さんが正式な祝い着の時には、肌着の上に白羽二重の内着を着せその上から掛け着(晴れ着)を羽織らせ、赤ちゃんを抱いた状態で、祖母の首の後ろで付けヒモを結びます。
下記は祖母の正装の例です。
和装・和服 | ドレスコード | 略礼服 |
服装の例 | 色無地、附下、訪問着 | |
解説 | ・髪型はできればアップにして和装にふさわしいものにしましょう。 ・髪色はダークトーンの髪色にしておくと良いでしょう。 |
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洋装・洋服 | ドレスコード | 略装・略服 |
服装の例 | スーツ、ワンピース | |
解説 | ・スーツの場合、白や紺、ベージュといった落ち着いた色を選んでください。 ・髪飾りはシンプルに、清楚な感じの髪型にしましょう。 ・髪色はダークトーンの髪色にしておくと良いでしょう。 ・コートを着用した場合、神殿内では脱ぐのが正式なマナーです。 |
コーディネイトの際の注意点
両親や祖父母のコーディネイトを考える際に気をつけていただきたいのは、主役は赤ちゃんであるということです。赤ちゃんよりも両親や祖父母が目立ってしまうことのないように、できるだけ落ち着いたコーディネイトになるように心がけましょう。
衣装の購入場所
スーツや略礼服、和服は基本的に、洋服屋や呉服屋で購入することができます。最近では、写真スタジオなどで赤ちゃんの衣装をレンタルする際に、両親や祖父母の衣装も一緒にレンタルできる所もありますので、特にこだわりがない場合は、レンタルで済ましても問題無いでしょう。
世界に一つだけのセミオーダー初着
当店では、浜ちりめんをベースにお好きな色柄を選べるセミオーダーメイド初着をご提供しております。世界に一つしかない初着をまとい、大切なお子様の一生に一度のお宮参りに参加することで、家族全員が一生物の素敵な思い出を残せることと思います。
商品例
男児用
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女児用
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初着が出来るまで
色・柄選び色柄リストから、お好きな物を選びます。お客様の希望されるモチーフを元にデザインすることもできます。 |
![]() 家を建てる時にたとえると、これは建築設計の図面に当たります。実際に染め上げられる模様の基礎となる行程です。 |
![]() 生地に直接青花で模様をかく |
![]() 糊置の目的は次の工程の挿し友禅の染料が柄の外へにじみ出さない為の防染です。細い糊筒に先金をつけて糸目糊を入れて指先で押し出しながら、草稿の線をなぞって糊を置いてゆきます。 |
![]() 地色を染めるとき、地色が色挿しした模様に入らないよう彩色した部分を糊(でんぷん糊)で伏せて防染をします。伏せ糊は耳たぶ位の柔らかさの半乾燥状態で地染めにまわします。 |
![]() 地色を刷毛で引き染めする行程です。染める面積が広いので、ムラが生じやすく、手早く均一に染める技量が必要です。地染めのあと、蒸しにかけて地色を定着させます。 |
![]() 色挿しの段階では染料は生地に置かれている状態なので「蒸し」の行程を経ることにより、染料が生地に定着し、発色も完全なものとなるのです。木製の蒸し箱に20~30反の生地をつるし、摂氏94度~99度で20~60分蒸します。 |
![]() 色挿しとも言い、友禅行程の中でもっとも華やかな行程です。糊置で囲んだ模様の内側に染料を挿すものです。 |
![]() かつては京都の風物詩とされた「加茂川の友禅流し」とよばれた行程です。糸目糊、伏せ糊、未染着の染料、薬剤等を水で完全に洗い落とす行程です。自然の川での水洗が禁止された現在は、大きな水槽を屋内に作り、水を流して水元をしています。 |
湯のし 生地に蒸気をあてて、生地の風合いを柔軟にし、シワを伸ばしたり、生地幅を整える行程です。 |
![]() 京友禅を彩る最後の行程です。染め上がった生地に、金銀などの箔や粉を接着加工したり、糸目の部分を上から金線で描いたりします。 |
![]() これも最後の行程です。印金同様に京繍-刺繍を施したりしていっそう重量感と豪華さをもたせます。 |
お届け ご注文からお届けまで、約90日の納期となります。余裕を持ってご依頼下さい。 |
費用について
商品価格(図案代込):324,000円(税込)〜 (加工内容によって価格は変動します) |
着物の素材(絹)について
絹は美しい光沢と滑らかな風合いが最大の特徴となっており、着物の刺繍をより引き立てることができます。機能性としては主に3つの特徴が挙げられます。
■身体を守る健康素材
・蚕(カイコ)の繭から作られるタンパク質でできた天然繊維
・肌の成分に近いアミノ酸20種類が数百から数千で結合している
・デリケートな赤ちゃんの肌が守られる
■吸湿性・通気性・保温性
・綿の3~1.5倍の吸水性があり、放湿性も綿に遜色ない
・糸が細いため繊維と繊維の間に多くの空気を含むことができる
・空気は断熱効果を生み、外の寒さを伝えにくく、軽くて薄い割に暖かみがある
・季節を問わずに着用することができる素材
■引っ張りに対する強度
・引っ張り強さは羊毛や綿よりも大きく、繊維の中では強靭な部類
染めについて
着物には大きく分けると2つの染め方があります。
■染めの着物
・織り上げられた白生地を後から染める
・振袖、留袖、訪問着などで使用
・刷毛や筆で色を染めつける
・手触りがしっとりやわらか
■織りの着物
・先に糸を染めてから織る
・染めの着物よりも格が低い
絵付けについて
職人と機械の絵付けには以下の様な特徴があります。
■職人の絵付け
・手本に沿って描いた場合、数ミクロンほどの微妙な違いが出る
・手を加えるごとに一種の「あじ」が生まれる
・1本1本の線に職人の絵付けにかける思いが込められる
■機械の絵付け
・絵付け技術が無くても手本と全く同じ緻密な模様のプリントができる
・整合性の取れたブレのない線を描くことができる
・プリントにかかる時間も短く、コストも低い
特徴を見てみると、機械の方が質の高い絵付けができるようですが、同じ模様を描いた着物を並べると、誰もが職人の出す「あじ」に気づくことができます。職人は手本に基づいて、技術を活かしながら手本に近づけようとしますが、完璧にはできません。一方、機械は手本に基づいて完璧に絵付けすることができますが、非常に淡泊な感じの表現になってしまいます。こういった人間の努力によって「手作りの良さ」を感じることができ、職人による絵付けは現在でも多くの人々に好まれています
家紋を刷り紋でお入れします
安価な初着の場合、よく使用されている家紋があらかじめ入っている物が多いため、各ご家庭の家紋を選択することができません。シルキーほっぺでは、男児用の初着を購入される際に各種家紋を選択することができ、レンタル着物の場合によくある貼り紋ではなく「刷り紋」でお入れいたします。
※刷り紋とは:紋の形の型紙を用いて、染料を刷毛などで刷り込めて染める技法で紋を表したものです。
着物のお手入れについて
着用後の初着は汚れていないようで、実は見えない汚れが付いています。赤ちゃんの汗やよだれが主な汚れで、付着したまま放っておくと最悪取れないシミになってしまいますので、きちんとお手入れをすることを忘れないようにしましょう。基本的に着用した後、すぐに着物専門業者のクリーニングに出した方がいいでしょう。ただし、クリーニングの後に仕舞いっぱなしにしたり、簡単なクリーニングで完全に汚れが落ちきっていなかったりすると、シミやカビが出てしまうことがあります。デリケートな素材だからこそ、専門業者と相談をしながらのお手入れが必要になってきます。
お手入れの方法
■汗の場合
汗がたくさんついた部分があれば、霧吹きで部分的に少し水を含ませ、タオルで叩いておきます。ただし、水をかけすぎると生地が縮んでしまうのであくまで少量にしておきます。
■よだれの場合
よだれは、付いたまま放っておくと取れないシミになってしまいます。この場合は専門業者にクリーニングを依頼した方が良いでしょう。
■初着着用後には
見た目が汚れていなくても、着用後にはクリーニングに出すことをおすすめします。主に丸洗いを行っているところがありますので、一度相談してみると良いでしょう。
着物の保管について
初着を保管する上で、一番気を付けなければいけないのは、「湿気」です。湿気の高い所に初着を置いておくと、カビが生えたり、変色したりしてしまって大切な初着を傷つけてしまうことになります。そのため、初着はなるべく湿気を避けて保管しなければいけません。
■桐たんすを使用する
着物を保管するたんすと言えば、桐のたんすが昔からよく利用されています。外気や湿度によって板の気密性を変化させ、内部を最適な温度湿度に保つことができます。
■洋服ダンスを使用する
洋服ダンスの場合は、湿気が入りやすいため、晴れた日や乾燥している日は扉を少し開けておくと良いでしょう。また、乾燥した季節に年に2回は洋服ダンスから取り出して、「吊るし干し」にすると良いでしょう。
【吊るし干しの方法】
以下のことに注意し、初着を広げて着物ハンガーなどで吊るすのが理想的です。
・風通しのよい部屋で
・直射日光をあてない
・蛍光灯の光にもあてない
・夕方までにはしまう
■除湿剤を使用する
着物専用の除湿機能付き収納袋を使用すると、保管場所も取らないため、おすすめです。
よくあるご質問
Q 初着とはどのようなものですか。
A 赤ちゃんが生まれて約30日後に行くお宮参り(初宮参り)に着る伝統的な着物です
Q 初着は一回しか使わないのですか。
A 女の子用、男の子用ともに身上げ加工をして3歳の七五三用の着物としてお使いいただけます。
Q お宮参りはどこにいったらいいですか。
A お宮参りは新しい家族を自分の家の氏神様に紹介、ご挨拶することが起源ですので、お住いの近くの神社にお参りするのが良いでしょう。
Q 初着はだれが買うのがいいですか。
A 一般的には嫁がせた側の親御さんが多いようです。
Q レンタルはありますか。
A レンタルは行っておりません。
Q 初着はいつまでに用意するのがよいですか。
A お宮参りは女の子が生後31日か32日目、男の子が生後30日か31日目が多いようですが、あまり厳密に考えず、約30日後としてお子さんとお母さんの体調の良さそうな日をお選びいただいたら良いと思います。
その日に合わせて、ご用意をいただければ問題ございませんが、当店であれば余裕をもって10日程度前にご注文いただくと良いかと思います。
(男児用は紋入れがありますので、少し早めにご準備ください。)
Q 家紋は女の子に入れなくていいのですか。
A 一般的には入れません。
Q 家紋はどのようなものを入れたらいいですか。
A 家紋は嫁ぎ先の父系の家紋になります。
家紋には同じ図柄でも周りに丸のついた「丸に」という家紋がございますので、十分にご確認をお願い致します。男児用の家紋には、基本的には「丸」は付きますが、地域などにより異なりますので、ご家族に十分にご確認ください。